出産祝いをくださった方へのお返しとして、出産内祝いをお贈りするのがマナーとなっています。しかし、もともとは内祝いというのは、「自分の家の内のことですが、おめでたいことがありましたので、皆様にも喜びを分かち合ってお祝いしていただきたいと思います」ということで行うものでした。したがって、昔は出産祝いを受け取る前に報告をかねて品物を贈ったり、宴席を設けるのが一般的だったのです。ですから、人によっては出産祝いをあげていないのに出産内祝いが届いた、ということがあっても、古式に則った正式な作法であるため、驚くことはありません。
しかし、この出産祝いを頂く前に出産内祝いを贈ってしまうやり方では、出産祝いをくれると思って内祝いを贈った人から出産祝いをもらえなかったり、逆にあまり出産祝いを期待していなかった人から多額の出産祝いを後ほどいただいたために、贈った内祝いがつりあわなくなってしまったりと、行き違いが起こりやすかったため、現代では、出産祝いをまず頂いて、その内容に応じて出産内祝いを贈るという、「お返し」の意味合いの強いものに変化していったのです。さて、それではいつごろ内祝いをお贈りすればよいのかというと、出産の一ヵ月後から二ヶ月が目安です。そのころまでには出産祝いもいったん落ち着き、出産を終えたお母さんの体調もよくなってくるため、そのころにまとめて内祝いを贈るのがよいでしょう。その後に届いた出産祝いについては、その都度内祝いをお返しするのを忘れないようにしましょう。